こんにちは!保護猫たちと暮らしている十歌(@nyanzillas)です。
そう悩まれてこのページにたどり着かれたのだと思います。
我が家の猫たちも元々は側に近づくこともできない警戒心の強い野良っ子たちでした。
そんな中、実際に私がどうやって捕獲したのか?その方法を紹介しつつ
野良猫を保護する時に注意したい事などをお話していきたいと思います。
警戒心の強い野良猫を捕獲する手順
猫の警戒度によっても変わりますので順番に説明していきます。
①まずは人間に慣らす
捕獲の数日前から同じ場所、なるべく同じ時間帯にご飯をあげて人間に慣らしていきます。
何日か繰り返すとその場所その時間帯に猫の方から来てくれるようになるので、捕獲の確率がグッと上がります。
私の場合は元々餌やりさんが猫を増やした現場の子たちだったので、いつもご飯をあげている場所で捕獲しました。
猫によってはこのタイミングで触れるぐらい懐いてくれる子もいます。
その場合はそのまま洗濯ネットでの捕獲を試みてみましょう。
②捕獲の道具を使う
病気やケガをしている猫、親猫から離れた子猫などの緊急性がある場合や、一向に触れそうにない猫の場合(大半がそうです)は捕獲の道具を使います。
1.捕獲器を使う
一番確実に捕獲できる方法です。
TNRをする際に実際に保健所の方が使っているのを見ていましたが、どんなに瞬発力に優れた猫でも太刀打ちできません。
捕獲器の入手方法ですが、ネット通販で3,000円~販売しているのでそちらを購入いただくか
保健所やお近くの保護団体からレンタルできる場合もありますので、一度問い合わせてみてください。
ちなみに私の地域の保健所では安全面の問題から借りることはできませんでした…。
それから可能な限り
設置したら放置せず少し離れた場所から見守るか、定期的に見回りに来るようにしましょう
(猫から見えない位置のが良いです)
理由はいくつかあります。
1.誰かに連れ去られる危険がある
2.違う猫が捕まる場合もある
3.捕まったところを他の猫が見ると警戒する(複数匹捕まえる場合)
目的の猫を捕まえたら落ち着ける場所に速やかに移動させるためにも、近くで見守るのが確実です!
2.キャリーバッグを使う
猫たちを病院などに連れて行く時に使うキャリーバッグ(ハードタイプ)を使います。
こちらの「扉部分にヒモを結びつけて猫が中に入ったら引っ張って閉める」
というシンプルな捕獲方法です。
我が家のりんとぼたん(当時子猫)はこの方法で捕獲しました。
イメージはこんな感じです。
実際にやってみて、失敗した注意点を以下に書いておきますので参考にして下さい。
・猫の全身が入る前にヒモを引っ張ると逃げる可能性大
→中に入ってご飯を食べ始め油断したタイミングがベストです
・猫のサイズに合わせ大きめのキャリーバッグで
→小さいと上半身しか入ってくれなかったりする
・猫は衣擦れのカサカサ音に非常に敏感なのでなるべく音の鳴りにくい服装で
→ダウンジャケットを着ていたらヒモを引っ張る前に音で逃げられました…
捕獲器もキャリーバッグもどちらの場合も、本当に警戒心の強い猫はそもそも中に入ってくれない場合があるので
捕獲当日はなるべくご飯を抜いてお腹を空かせた状態でチャレンジしてください。
※複数人ご飯をあげている方がいる場合は事前に話を通しておきましょう。
・からあげ
・シーチキン
・焼きかつお
などの匂いが強いご飯がGOOD
ちなみに…成猫の三毛さんを捕まえる時はキャリーバッグだと心許なかったので1段のケージを屋外に設置して扉にヒモ結んで捕まえました(笑)
完全に体が中に入っていたので拍子抜けするぐらい簡単に捕まりました(˘ω˘)
3.洗濯ネットを使う
これは触れたり近づいても逃げない猫限定の方法です。
100均のものでOKなので、一番大きいサイズの洗濯ネットを準備して下さい。
洗濯ネットも色んな種類がありますが、できれば左のような網目が粗いものを選びましょう。
病院で診察してもらう時に洗濯ネットから出さずに診る事もできるので便利です(獣医さん談)
捕獲手順は以下のとおりです。
1.オヤツなどを地面に置いて猫の気をそらします
2.食べるのに夢中になっている間に裏返しにした洗濯ネットを手に持ち洗濯ネット越しに首根っこを掴みます
3.掴んだらすばやく洗濯ネットを表に返しながら顔から先に袋の中に入れていきます
4.体が入ったらすぐにチャックを閉めます
5.洗濯ネットごとキャリーバッグに入れます
<参考動画>
【猫の捕まえ方】洗濯ネットでの猫の捕まえ方を獣医師が解説。元保護猫の洗濯ネットで捕まえるコツ。
頭のいい子は1回やると覚えて2回目からは逃げてしまう場合があるので失敗には注意して下さい。
ネットに入った状態でも飛んだり走ったりすることもあるので、入れた後も気を抜かないで下さい!!
爪でケガをする可能性が高いので必ず厚手の手袋をした状態で行って下さい。
③捕獲したら動物病院へ
どんなに健康そうに見えても野良の子は多かれ少なかれノミ・ダニ・回虫などの虫がついています
可能であれば家に上げる前に病院へ連れていきましょう。先住猫さんがいるご家庭は特に。
その他にも健康状態の確認や状況に合わせた処置もしてもらえるので
まずは動物病院へ!!
・エイズ、白血病検査
・ワクチン
・不妊治療のタイミング
・その他健康状態に応じた治療
病院によっては野良猫を受け入れられないところもあるので事前に確認しておきましょう。
できれば捕獲に使ったキャリーバッグや捕獲器からは出さずそのまま連れて行くことをオススメします。
下手をするとそこで逃げられます。
キャリーバッグから出そうとした時の様子を4コマ漫画にしたものがあるので参考にどうぞ。
もしすぐに病院に連れていけない状況であるならば、なるべく人通りの少ない静かな場所に隔離するようにして下さい。
また赤ちゃん猫の場合は体温が下がると危険なので、タオルや毛布などでベッドを作り体を冷やさない工夫もして下さい。
他にも赤ちゃん猫には注意する点がたくさんあるので下記のページを参考に対策を!
→子猫を拾ったとき、どうしたらいいの?【獣医師が解説】(にゃんペディア)
野良猫を保護した後
むしろここからが本番です。
野良猫はすぐには人には馴れません
これを強く強く念頭に置いてください。
すでにお外で長い間ご飯をあげたりして信頼関係を築いていた猫の場合でも態度が豹変する事も往々にしてあります。
一般的に年齢が幼いほど人に馴れるのは早い傾向にあります。
逆に野良の期間が長い猫ほど馴れるのに時間がかかります。
もちろん猫の性格によるところが大きいので、翌日からスリスリゴロゴロになる子もいれば、何年経っても馴れてくれない子もいるようですが…。
ちなみに我が家の場合は
・生後4ヶ月のりんで触れるまでに1ヶ月
・3~4歳の三毛さんでシャーがなくなるまで1年、捕獲直後翌日で触れた
と全く違うので、本当に猫次第です。
とはいえ大半の猫さんはすぐには馴れてくれないので時間がかかることを覚悟する必要はあります。
猫はとてもとても臆病な生き物です。
「シャー!」と怒っているようでも本当は怖がっているのです。
無理やり触ろうとしたり過度なスキンシップは逆効果になる場合もあります。
気長に、根気よく、接してあげて下さい。
野良猫を保護したあとケージに入れたほうがいいかどうかは野良猫を保護した時にケージは必要か?いつまでケージに?の記事でまとめましたので参考にして下さい。
超オススメの保護猫本の紹介
私が野良の子たちを保護する際にバイブルとしていた本があるのでご紹介します。
ここのページで紹介している方法の大部分がこちらの本を参考にしたものです。
どんな内容の本なの?
東京キャットガーディアンという保護猫のNPO団体が発行している本です。
全ページカラーで
・捕獲方法
・保護した直後にすること
・お世話の仕方
・年齢別ご飯の与え方
・猫の病気について
・人馴れ訓練の方法
などなどなど
写真をたくさん使い非常に非常にわかりやすく紹介されており
おそらくこの1冊あれば野良猫に限らず猫についての基本は網羅できるのでは?というほど詳しく書かれた本です。
保護猫のNPO団体が発行しているだけあって実績に裏打ちされたノウハウや、猫に対する愛情がにじみ出る文体で本当にオススメの良書です!
実際私は野良猫というより猫の基本を学ぶために口コミで評価が高かったこちらの本を購入しました。
まさかこの本を本来の用途として活用する日が来るとはその時は夢にも思いませんでした(笑)
本当に保護が必要な子なのかもう一度考える
最後にこれをお伝えします。
その子は本当に保護が必要な子なのか?ということです。
- 子猫の場合、親猫は近くに居ないか?
- 本当に野良の子なのか?(放し飼いの可能性)
- 世話をしていく覚悟があるか?
①親猫は近くに居ないか?
子猫が鳴いていても人間に警戒して親猫が隠れている、もしくは少しだけ離れているだけの可能性もあるので、いきなり捕まえるのではなくまずは様子見をしてください。
②本当に野良の子なのか?
最近は少なくなってきましたが、猫の放し飼いをしている方もいらっしゃいます。
いつもご飯を食べに来るような子でも誰かの飼い猫の可能性があります。
私もりん達の捕まえる際は、入念に確認をしたうえで確実に野良だと判明した子だけを保護しました。
周辺の方にしっかり確認を取ってから捕獲を行いましましょう。
③世話をしていく覚悟があるか?
前述の通り猫を保護するのは大変なことです。保護した後のお世話もかなりの覚悟が必要になってきます。
「ただ可哀想だから」という中途半端な気持ちでは続かない事もあります。
今後何があっても世話をしていくことができるか、いま一度考えてみてください。
考えたうえで「それでも保護しよう!」と思ってくださった方に迎えられる猫さんは本当に幸せだと思います。
人馴れを進める上で私がチャレンジしてきた方法など、このブログでもいくつかご紹介していますのでぜひ参考にしてみて下さい!
あなたの保護猫ライフが幸せで満ちることを応援しています!!